ゴジラ映画のアガるタイトル・シークエンス ベスト5
『ゴジラVSコング』に向けて士気を高めよう!という目的で勝手に始めた「ゴジラの●×ランキング ベスト5!」ですが、1月25日に同作の本予告が満を持して解禁され、世界中でゴジラ熱がマッドでマックスな状態に。
もはやこんな記事を書かなくとも、既にみなさん沸点を通りこして、蒸発しちゃうんじゃないかというくらい沸き上がっているわけですが、悪役と背びれの2回で終らすというも何だか中途半端じゃないですか。
というわけで、『ゴジラVSコング』が日本公開される(予定の)5月までは、思いついたランキングをしこしこアップしていこうという所存でございます。
今回は、「ゴジラ映画のアガるタイトル・シークエンス ベスト5!」。
選考の基準としては、ロゴのデザイン、派手さ、パワフルさ、音楽、テンポ、前後のシーンとのつなぎ方などを考慮している──と、もっともらしく言いたいところですが、有り体に言えば私がどれだけ「かっけ〜!」と感じたか。それがすべてです。
第5位 ゴジラ対メカゴジラ
荒涼とした岩場が広がるどこかの島。何かを威嚇するように咆哮するアンギラス。
そして巻き起こる大爆発。
火を噴きながら破裂する岩山を背に、ゴジラ!ゴジラ!ゴジラ!ゴジラ!ゴジラ!と我らが怪獣王の名が素早いズームイン(奥から手前)で5連発叩き込まれます。そこから間髪を入れず、今度は宿敵メカゴジラの名前もズームアウト(手間から奥)のアニーメションでこれまた5連打。
そして画面いっぱいにダダーン!と映し出される『ゴジラ対メカゴジラ』のタイトル。
謎の爆発が起こって、ポカーンとしているこちらをよそに、異様なテンションで両主役の名前が叩き込まれるというのが、本作のオープニングであります。
何というか、まだ寝起きでボケ〜っとしているところに、拳骨を10発食らって、なおかつ冷や水をぶっかけられたような、そんな衝撃を受けること請け合いです。
で、さらに衝撃的なのが、このタイトル・シークエンスに続くキャストやスタッフのクレジットですよ。さっきまでの剣呑な雰囲気はどこへやら、唐突に沖縄の風光明媚なショットが映し出され、そこに爽やかなでお洒落な音楽が乗っかってくる。まるで自治体の作った観光プロモーションビデオみたいな映像です。
この落差も実に味わい深い(気がする)。
第4位 シン・ゴジラ
ドーン…ドーン…と砲撃のごときゴジラの足音がこだまする中、お馴染みの東宝のマークが映し出され、ゴジラの咆哮とともに『シン・ゴジラ』のタイトルへと転換。
エフェクトなどを排した非常にシンプルかつ力強い本タイトル・シークエンスは、初代『ゴジラ』のそれを踏襲したものです。ゴジラの足音が一定のテンポで鳴らされており、これによってリズムが刻まれ、グルーヴが生まれる。4ビートの一拍目に和太鼓でアクセントをつけている感じ…とでも言いましょうか。とにかく心地好いし、怪獣映画が始まるというゾクゾク感に駆られること間違いなし。
そして、『シン・ゴジラ』を劇場で見ていてしびれたのが、タイトルが映し出された後、絶妙な間合いを取ってから、足音とともに「映倫」の文字がドンッ!と現れるところですね。スタッフやキャストの紹介を入れず、ここからスパッと本編に突入する。この切れ味、このテンポの良さ。
本作のクールさというのは、始めから際立っていたのでした。
第3位 ゴジラVSメカゴジラ
度重なるゴジラの襲来に対処するため、日本政府は国連G対策センターを設立。海底に沈んだメカキングギドラの残骸を回収して、23世紀のロボット工学を徹底的に分析し、史上最高最強の対ゴジラ兵器:メカゴジラを開発した──。
『ゴジラVSメカゴジラ』の冒頭では、こういったあらましがナレーションで語られた後、完成したメカゴジラの堂々たる姿がバストアップで大きく映し出されます。そこに名匠:伊福部昭の手掛けた威風堂々たる劇伴がとどろき、メカゴジラの勇姿にタイトルがドドーンと重なるわけですが、こんなかっこいい音楽と画が合わされば、興奮するなという方が無理な話。ズルい!というくらいに、鉄壁のタイトル・シークエンスだと思います。
ここで流れる音楽は、後に『シン・ゴジラ』のエンド・クレジットでも使われ、同作を締めくくる1曲となりました。これを最後に持ってくることで、『シン・ゴジラ』がより格調高くなったというか、さらに映画としての説得力が増したような印象でしたね。そういう有無を言わさずこちらを圧倒するパワーを秘めた、恐るべき楽曲だと思います。
第2位 ゴジラVSデストロイア
体中が赤く発光し、明らかに異常をきたしているゴジラが香港に上陸。
摩天楼に熱線を吐きかけ、大爆発を引き起こしたところで画面が暗転し、タイトル・シークエンスへと移ります。
凄まじい咆哮とともに、初代と同じデザインのゴジラ・ロゴが、これまた同じように下からスライド・イン。それが大爆発し(また爆発!)、その炎を飲み込むようにしてオキシジェン・デストロイヤーが登場。まるで海底に沈んで行くかのように、画面奥の闇へと飲み込まれていきます。
そして煌びやかな(たぶん)ハープの音が鳴り響く中、ゴジラのロゴが一文字ずつ手前から流れてきて、劇伴が最高潮に達したところで、「VSデストロイア」の文字がド派手なアニメーション付きでドカーンと打ち付けられる。
第1作との密接な関係を示すとともに、「VSシリーズの有終の美を飾る」という気概に溢れた、感慨に浸ざるを得ないオープニングじゃないでしょうか。爆発がいっぱい起こるし、炎もメラメラと燃え盛りまくりで、川北特技監督を始めとするスタッフのなみなみならぬ情熱が感じられるところも最高です。
第1位 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
本作のタイトルの何が最高かって、“迫り出すゴジラ”に尽きますね。
アメリカの原子力潜水艦が消息を絶ったグアム島沖合で、日本防衛海軍の広瀬中佐が青白く背びれを発光させながら海底を移動する巨大な“何か”を目撃。
「移動中の物体は何か?」と無線で問われ、「自分の目が…信じられません!」と思わず叫んだところで、ゴジラのいかつい巨大ロゴがドドンと文字通り画面から迫り出してきます。
タイトル・シークエンスに移るまでの演出や流れも最高ですが、このゴジラの三文字がスクリーンから飛び出してきたときのパワーときたら! 私はこれを勝手に、壁ドンならぬゴジドンと呼称していまして、初見時はすっかりノックアウトされてしまいました。
もちろん、その後に続くモスラとキングギドラのロゴが神々しく組み合わさって、中央に「大怪獣総攻撃」の副題がバーンと現れる展開もめちゃくちゃアガるわけですが、私はゴジドンの時点で既に昇天してしまいます。そのブルドーザー100台が一気に押し寄せてきたみたいな迫力だけでもって、歴代タイトルの第1位に選ばせていただきました。