ゴジラ映画の記憶に残る悪役ベスト5 ─人間・宇宙人・海底人編─
最近『ゴジラVSコング』まわりが、にわかに騒がしくなってきてるじゃないですか。
全米公開が3月に前倒しされたり、ティーザーにもほどがある小出し映像が解禁されたり。(小出しが過ぎる!)
ただですね、ゴジラとキングコングが半世紀以上ぶりにタイマンを張るという驚天動地の出来事が起きようとしているのに、いまいち気分が昂らない。
それはコロナ禍という異常事態の中で本当に予定通り公開されるのか疑心暗鬼になっていることもあるし、個人的には前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の内容に対していまだモヤモヤした感情が尾を引いているということもある。
それでも、安室ちゃんのラスト・ステージを死に物狂いで盛り上げたアムラーばりに、ゴジラーたる者、この戦後最大級のビッグマッチを盛り下げるわけにはいかないじゃないですか。
というわけで、ゴジラ魂を無理矢理にでも奮い立たせるべく、こんなことを始めたいと思います。
ゴジラの●×ランキング ベスト5!
ラジオ番組の『アトロク』でお馴染み「ひとり総選挙」的な形で、超独りよがりなゴジラにまつわるランキングを、勝手に発表していきますよ。
第1回は………ゴジラ映画の記憶に残る悪役ベスト5 ─人間・宇宙人・海底人編─!
人間・宇宙人・海底人編ですのでね。怪獣は出てきません。
それでは、ゴジラ映画に登場した、身の毛もよだつスーパー・ヴィランのトップ5をご紹介しましょう。
第5位 ブラックホール第3惑星人
もう名前からして最高ですよ。ブラックホール第3惑星人! よく考えるとブラックホールの第3惑星ってどこよ?と意味がわからないんですけど、何せブラックホールですからね。人智を遥かにビヨンドした存在であるわけで、理解しようとするのがおこがましいのです。
そして、その正体も衝撃的。顔がめちゃくちゃゴリラ! あまりにも『猿の惑星』オマージュが全開で、ビックリしちゃいましたね。
そのインパクトだけで5位です。
第4位 未来人ウィルソン
登場作品『ゴジラVSキングギドラ』
なぜだかゴジラが現れなくなり、とんでもない経済大国に発展して調子こいた日本を、「けしからん!」と嫉妬心を爆発させて未来からこらしめるためにやってきた、地球均等環境会議という変な組織のメンバーです。非常に難しい役所ですが、チャック・ウィルソンさんが好演しています。
その計画もスケールがデカく、太平洋戦争中にタイムスリップして、後に核実験の影響でゴジラと化すゴジラザウルスの代わりに未来の可愛いペット用動物:ドラットちゃんを3匹ラゴス島に残し、ゴジラ以上の怪獣キングギドラを生み出して日本を滅ぼそう!ですよ。
もっとシンプルで上手くいきそうな方法がわんさかありそうな気もしますが、きっと気のせいでしょう。
とにかく、こんな夢のある計画をどや顔で実行してみせたウィルソンの胆力(と狂気)には、頭が下がります。
第3位 シートピア海底王国 司令官アントニオ
登場作品『ゴジラ対メガロ』
核実験で平和な生活をめちゃくちゃにされたことで怒り心頭に発し、地上人との戦いを決意した海底王国の指導者。両手にドリルがくっついた巨大カブト虫:メガロを送り込み、人類への攻撃を仕掛けます。
彼らのシートピア海底王国はビジュアルが強烈です。特に古代ローマの人みたいな服装のアントニオの面前で、白い水着(下着?)にシースルーのワンピース(?)という、夜の街をプンプン臭わせるエッチな格好の(なぜかアジア系の顔立ちの)女性陣が変な踊りを舞っている様はザ・カオス。きっと、水爆で国土を荒らされる前は、毎日ウハウハな楽しい生活を送っていたのでしょう。そりゃあ怒るはずだ!
そもそも、彼らは安住の地を水爆で破壊されたわけで、哀れな被害者なわけですよ。(だったら日本じゃなくアメリカとかフランスとかを攻撃しろ!って話ですが)となると、人類は彼らに対して誠意を見せるべきでしょう。
それなのに、エッチな格好をしたお姉さん達が変な踊りで崇めていた守護神のメガロはガイガンともども、なぜだか助太刀にやってきゴジラ&ジェットジャガーにボコボコにされてしまって…。あまりに不憫なので3位です。
第2位 大久保博士
登場作品『ゴジラVSスペースゴジラ』
超能力少女:三枝未希さんのテレパシーを使って、ゴジラを意のままに操ろうとしたマッド・サイエンティスト。昨年、大久保を演じた斎藤洋介さんが鬼籍に入った時、哀悼の意をこめて『VSスペースゴジラ』を見直したんですが、やっぱり彼の怪演があったからこそのスペースゴジラだと再認識しましたね。
まだまだ馬脚を現さない序盤でも、こういった表情ひとつで大久保の内に秘めたヤバさを匂わせる、斎藤さんの怪演。#スペースゴジラ pic.twitter.com/HQztGS15BU
— 悠田ドラゴ (@yutadrago) 2020年9月20日
このツイートにも書いたのですが、登場時点で何だか挙動がおかしいんですよ。この腹に一物抱えた感じがまた良い。
そして何と言っても、大久保のマッドがマックスに達するのが死に際ですね。
ゴジラ乗っ取り作戦は失敗、スペースゴジラが発する強力な電磁波の影響で大切なコンピュータもボロボロという、二進も三進もいかない状況に追い込まれ、ここぞとばかりに大久保は発狂します。
ヘンテコなゴーグルみたいなのをかけて、パソコンにまたがりながら「どうしてなんだあ!」と泣き叫ぶ様は、誰しも心が揺さぶられるでしょう。
こういう、死に際にそれまでのキャラ(特に冷笑系な感じのキャラ)が崩壊する映画の場面が個人的には好物でして、他にも『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』の手塚とおるさんが演じた倉田とか、『プロメテウス』のシャーリーズ・セロンが宇宙船の下敷きになるとことか、好きなシーンはたくさんあります。そんな中でも、大久保の壊れっぷりは最高でした。
第1位 SSS9
登場作品『ゴジラVSビオランテ』
G細胞や抗核バクテリアを狙って、『呪怨』の俊雄君ばりに場所を問わずひょっこり出現するサラジア共和国の工作員。口ひげにオールバックのヘア、サングラスという、いかにもアレな風貌をした男です。『ナイトホークス』の時のスタローンっぽい、といったら伝わりますかね?(この時のスタローンはオールバックじゃないですけどね)
だいたいの銃撃シーンにかかわっている、本作のガン・アクション担当みたいな人です。
彼がなぜ1位かというと、その昔、まだガキんちょだった頃の私は彼を、ゴジラの化身だと勘違いしていたんですね。
意味がわからないと思いますが、『VSビオランテ』の終盤って、ゴジラが抗核バクテリアをくらって活動を停止した後、SSS9と主人公の取っ組み合いになるじゃないですか。で、結局SSS9が人工稲妻装置で雲散霧消した後、ゴジラが復活するわけですけど、ゴジラ→SSS9→ゴジラという流れで、怪獣と人の姿を行き来していると、幼い私は解釈したわけです(当時は何でSSS9が消えたのか、意味がわからなかったですしね)。
説明しても意味がわからないと思いますが、そんな思い入れもあり1位となりました。
ちなみにSSS9を演じたマンジョット・ベディさんはその後、何だかよくわからないけど凄そうな会社の代表取締役をやっていたり、クリエイティブディレクターとか何だかよくわからないけどいろいろな肩書きがあったり、何だかよくわからないけど凄い人になっています。
以上、ゴジラ映画の記憶に残る悪役ベスト5 ─人間・宇宙人・海底人編─ でした!
次回のテーマは、ゴジラ映画の背びれベスト5の予定です。