悠田ドラゴのAll-Out ATTACK!!

悠田ドラゴのAll-Out ATTACK!!

カテゴリーをご覧になれば、どんなブログかだいたい察しがつくかと思います。

2021-01-01から1年間の記事一覧

メンタリストさんへおすすめしたい映画3選

とあるメンタリストさんが、ホームレスや生活保護を受けている方に対して、人権侵害といえる発言をし、問題になっています。 メンタリストさん曰く、大して税金も収めていない私のような低所得の庶民が、たっぷり税金を払って福祉に貢献している自分のような…

『ゴジラVSコング』

【ネタバレしています。未見の方は今すぐシャットダウン!】 過去のゴジラ・シリーズ全作品のポスターギャラリーを眺めて、『ゴジラVSコング』に一番近いのはどれだろう、と考えてみる。いろいろ考えた結果、それは『ゴジラ対ヘドラ』だと思う。というのも、…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑩

これからのゴジラ 2020年はパニック映画の世界にぶち込まれたような一年となった。いや、それは過去形ではなく、今もなお続いている。新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックは、エンターテイメントの世界を完膚なきまでに打ちのめし、映画館は一時期…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑨

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 #2 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(以下『KOM』)はシリーズ史上、かつてないほどのスケールと映像水準で怪獣バトルを活写した一作である。その1点をもって、これこそ自分が見たかったゴジラ映画だと絶賛す…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑧

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』 #1 ギャレス・エドワーズ監督作『GODZILLA ゴジラ』が、アメリカから2ヵ月ほど遅れて日本で公開された2014年7月下旬。“コミコン インターナショナル サンディエゴ”に出席したレジェンダリー・ピクチャーズのトーマ…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑦

アニメ『GODZILLA』三部作 #2 かつてないスケールの世界観が用意されたアニメ『GODZILLA』三部作は、ゴジラのデザインもこれまでとは一線を画していた。その出発点には、「生命進化の頂点」という虚淵が提示したコンセプトがあり、瀬下監督はそれをもとにス…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑥

アニメ『GODZILLA』三部作 #1 『シン・ゴジラ』の制作と並行して、別のプロジェクトが秘密裏に進められていた。後に『GODZILLA 怪獣惑星』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『GODZILLA 星を喰う者』から成る三部作として2017年から2018年にかけて公開された、ゴ…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃⑤

ゴジラ戦略会議(通称ゴジコン) ゴジラ映画が息を吹き返した2014年以降、東宝では同社が世界に誇るムービー・モンスターの価値を継続的に強化していこうとする動きが活発化する。その中心となったのが、レジェンダリーの『GODZILLA ゴジラ』の世界的成功を…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃④

『シン・ゴジラ』#2 3月22日、NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』で「庵野秀明スペシャル」が放送された。自身の命よりも作品を優先する仕事観、無尽蔵なこだわり、妥協を許さないストイックさ。その内容は多くの視聴者に衝撃を与え、SNSでも大き…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃③

『シン・ゴジラ』#1 2021年4月3日、庵野秀明が脚本・監督を務める『シン・仮面ライダー』が、2023年の公開を目指して製作されることが発表された。2016年の『シン・ゴジラ』(脚本・編集・総監督)、2021年公開予定の『シン・ウルトラマン』(企画・脚本)…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃②

『GODZILLA ゴジラ』#2 前回見てきたように、ギャレス版『GODZILLA ゴジラ』の発端には坂野義光による3Dゴジラ作品の企画があった。それを実現せんとする彼の情熱が巡り巡ってレジェンダリー・ピクチャーズと東宝の契約へと結実したのだ。ただ、当初坂野が用…

怪獣王の新時代──2010年代のゴジラ快進撃①

2004年に『ゴジラ FINAL WARS』が公開され、シリーズに一旦の終止符が打たれた頃、十数年の時を経てゴジラが国際的なマーケットで戦える強力なコンテンツと化すことを予想できた人は、はてして何人いただろう。ハリウッドによってシリーズ化され、その最新作…

『学校の怪談』は異形の映画に通ず

きっと誰しも、映画に対する好みとか価値観を形成する上で外せない作品ってあるじゃないですか。私の場合、そのうちの1本に間違いなく入るのが『学校の怪談』であります。「うひひひひひひひひ……」でお馴染みの、1995年に公開されたホラー・アドベンチャー…

ゴジラ映画のアガるタイトル・シークエンス ベスト5

『ゴジラVSコング』に向けて士気を高めよう!という目的で勝手に始めた「ゴジラの●×ランキング ベスト5!」ですが、1月25日に同作の本予告が満を持して解禁され、世界中でゴジラ熱がマッドでマックスな状態に。 もはやこんな記事を書かなくとも、既にみな…

『鬼滅の刃』の吾峠先生はカーペンター映画ファン説

『鬼滅の刃』を読み始めました。今さら。 何やら鬼が人を喰ったり、首が飛んだり、けっこうグロかったり…といった評判は耳にしていて、そりゃあ面白そうだ!と関心は持っていたのですが、小生ランボー・シリーズを見たりで忙しかったものでして。漫画好きの…

ゴジラのスクリーン映えする背ビレ ベスト5

前回は「ゴジラ映画の記憶に残る悪役ベスト5」と題して『VSビオランテ』の工作員SSS9や『VSキングギドラ』の未来人ウィルソンなんかをご紹介したわけですが、今回はゴジラのある部位にランキングをつけたいなと思っております。 彼の背中に生えている、かっ…

ゴジラ映画の記憶に残る悪役ベスト5 ─人間・宇宙人・海底人編─

最近『ゴジラVSコング』まわりが、にわかに騒がしくなってきてるじゃないですか。全米公開が3月に前倒しされたり、ティーザーにもほどがある小出し映像が解禁されたり。(小出しが過ぎる!) ただですね、ゴジラとキングコングが半世紀以上ぶりにタイマンを…

愛しのトラウマ映画列伝:ヴァーホーヴェンとスピルバーグ

『トータル・リコール』と『スターシップ・トゥルーパーズ』 『ジョーズ』と『プライベート・ライアン』 『トータル・リコール』と『スターシップ・トゥルーパーズ』 見渡す限り岩しか見当たらない荒涼とした場所に、宇宙服をまとった2人の男女が立っている…

BENNETT ベネット(原作『コマンドー』)

序章:船出 第1章:トリック 第2章:I'll be back, Bennett 第3章:カカシですな 第4章:地獄 序章:船出 とある港。そこに停泊していている一隻の漁船に向かって歩いている男がいた。名をベネットという。彼は船に乗り込み、水平線を眺めながら、昔を思…

『ゴースト・オブ・マーズ』火星で首チョンパなホラー・バトル・ムービー

映画を観ていて無条件で気持ちが昂ってしまうのが、“首チョンパ”のシーンです。人の首がすっ飛ぶというあまりにも非日常的な描写は、ショック表現として抜群の破壊力があります。またそれだけでなく、残虐性が突き抜けているゆえに、コメディ的な文脈でも効…

『ゴジラ対ヘドラ』歪でサイケなヘンテコ怪獣映画

シリーズ中最も奇怪で歪なゴジラ映画 シリーズ唯一のサイケなギター・ソロが乱舞するゴジラ映画 シリーズ中最も奇怪で歪なゴジラ映画 監督を引き受けるからには、それまでの娯楽路線のゴジラ映画とは全く違う作り方をしたい。それには、第1作のようにきちん…

怖いゴジラが見たい

恐怖! 白目ゴジラに震えた!! 本ブログのタイトルAll-Out ATTACKは、わたしにとってのベスト怪獣映画のひとつである『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年/以下『GMK』)から名前を頂戴しました。 同作は平成ガメラ三部作を手がけた金子修…

エメゴジ讃歌[後編]ここがダメだよトライスター版ゴジラ

トライスター版『ゴジラ』(1998年)、通称エメゴジへの不当な評価に対抗するべく同作の美点について考えてみた【前編】に続き、後編では、逆にエメゴジの「ここは残念だった」というポイントを指摘してみたいと思います。というのも、作品のいいところだけ…

エメゴジ讃歌[前編]トライスター版ゴジラを侮るべからず!

ローランド・エメリッヒといえば『インデペンデンス・デイ』(1996年)とその悪名高き続編『インデペンデス・デイ:リサージェンス』(2016年)、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)、『2012』(2009年)などの超絶ディザスター・ムービーが特に有名…

『博士と狂人』と『1984年』:言語破壊の邪悪さを考える

パソコンやインターネットもない時代──想像するに、情報の検索・収集・共有が今よりも遥かに多くの労力と時間を要する作業であった時代に、あらゆる言葉のあらゆる意味や使い方を網羅する辞書を編むという作業は、途方もなく長い苦難の道であったことだろう…

『ランボー ラスト・ブラッド』阿鼻叫喚! 怒りの大復讐

2019年秋、アメリカで『ランボー』シリーズの第5作にして完結編、『ランボー ラスト・ブラッド』が公開。その時点ではまだ日本公開が決まっておらず、数ヶ月経っても一向にアナウンスはありませんでした。日本では一体いつ観られるんだ…とやきもきしている…

『ランボー』スタローンが突きつけるベトナム帰還兵の怒り

物語は、スタローン演じるベトナム帰還兵のジョン・ランボーが、戦友の家を訪ねるところから始まります。その友人は化学兵器の影響で癌を患い、既にこの世の人ではありませんでした。 失意の中、ランボーは食事をしようと小さな田舎町へやって来ますが、そこ…

『ナイトホークス』負けるなスタローン! 快作なスライ応援ムービー

『フィスト』『パラダイス・アレイ』(ともに1978年)と、映画としては秀作であったにもかかわらず興行的にはパッとしなかった2作の後、シルベスター・スタローンは再びグローブをはめ、自らの原点であるあの男を演じることを決意。『ロッキー2』(1979年…

『パラダイス・アレイ』映画作家スタローンの初期衝動

『ロッキー』に続くシルベスター・スタローンの主演作『フィスト』(1978年)は、彼にとってフラストレーションの残る作品だったようです。スライは同作について、次のようなコメントを残しています。 この作品はジュイソンの映画になってしまった。撮影が終…

『フィスト』スライを魅了した成り上がりと破滅の物語

マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』(2019年)で、アル・パチーノが演じていたジミー・ホッファという男がいます。彼は“チームスターズ(International Brotherhood of Teamsters)”なる全米トラック運転手労働組合の指導者で、政界にまで影…